1対1の強さ
ポケモン単体の性能について考えます。1体1の対面で強いポケモンはどのようなポケモンでしょうか?単純に殴り合う場面を考えると自分の体力が尽きる前に相手の体力を削り切る性能が高いと対面が強いといえそうです。この条件を数式で表しましょう。
火力指数を\(\alpha\)、防御と特防のうち相手の攻撃に対応する方をB、体力をHとし、相手の数値には’を付けて表すとします。こちらが受けるダメージは\(\frac{\alpha’}{B}\)で、耐えれる回数は非整数まで許して考えるとして\(\frac{HB}{\alpha’}\)回の攻撃を耐えます。一方相手が耐えられる回数も同様に考えて\(\frac{H’B’}{\alpha}\)ですからこれらが大きい方が勝ちます。この関係は分母を払って\(\alpha HB\)と\(\alpha’ H’B’\)の大きい方が勝つと言い換えることができます。耐久指数を\(\beta=HB\)とすると\(\alpha \beta\)が高いポケモンほど1対1の対決に強いといえそうです。
二つの勝利条件
では\(\alpha \beta\)さえ高ければ良いのでしょうか?回復技を持っているポケモンを考えると他の要素の重要性が見えてきます。回復技を持っているポケモンは回復が間に合う限り回復の合間に殴ってれば相手はいつか死にます。つまり回復技持ちのポケモンにはもう一つの勝利条件として回復量>被ダメージという条件が追加されることになります。
勝利条件まとめ
- 自分の体力が尽きるより先に相手を倒せる条件: \(\alpha \beta \gt \alpha’\beta’ \)
- ダメージに対して回復が間に合う条件: \(\frac\beta2 > \alpha’\)
3種類のポケモンの定義と3すくみの関係
このように二つの勝利条件があるとき、勝ちを目指す戦略として次の3つを考えることができます。
- \(\alpha \beta \)を高くする。
- 回復技を持って\(\beta\)を高くし、その分\(\alpha\)は度外視する。
- \(\alpha\)を高くし、その分\(\beta\)を軽視する。
それぞれの戦略について詳しく説明します。
\(\alpha \beta \)を高くする戦略は二つの勝利条件のうち、1の条件を満たすことに特化することに相当し、最初に説明したように回復技を持たないポケモン同士の殴り合いで強くなります。このような性質を「対面性能が高い」と呼ぶことにします。
対面性能と行動回数について
対面性能を考える上で行動回数を増やす要素の重要性は触れておく必要があります。現在の環境においてはよほど苦手な相手でもない限りは2、3発以内に倒せることが普通になっています。そのため行動回数が一回増えるのは\(\alpha\beta\)を実質的に倍とか1.5倍にさせることに繋がります。
そのためマルチスケイルや化けの皮などにより行動回数を増やすのは対面性能を増やす非常に重要な要素になっています。
またどちらかが死ぬまで殴り合うという条件ではすばやさが高い方や先制技を持っている方は行動回数が1回増えます。このため素早さを上げる要素も対面性能に大きく寄与します。
逆に勝利条件2には行動回数の多寡はかかわってこないため、後の段落で述べる受けや崩しの性能には影響が少ないです。したがって行動回数の追加は対面性能のみを大きく上げる要素になります。
\(\beta\)を高くする戦略は二つの勝利条件のうち、1を捨て2を満たすことに特化していると考えることができます。このような戦略を「受け」と呼ぶことにします。\(\alpha\)を捨てて\(\beta\)一本に絞れる分、二つにバランスよく振っている対面性能重視のポケモンに対して2の勝利条件を満たしやすいです。
\(\alpha\)を高くする戦略は二つの勝利条件のうち、「相手に2を満たさせない」に特化した戦略とみなせます。このような戦略を「崩し」と呼びます。勝利条件1を捨てている受けに対して勝利条件2を潰して勝てる一方で、勝利条件1に特化している対面性能の高いポケモンには不利になります。
以上をまとめると勝利条件1,2の満たし方で対面、受け、崩しの3種に分類でき、かつこれら3種は対面→崩し→受け→対面と3すくみの有利不利関係を形成することがわかります。
参考

俺の知ってる受けや崩しと違うぞって人向けの補足
受けや崩し、対面といった単語は現在のポケモン界隈において文脈や状況に応じて非常に色んな意味で用いられています。そのため一つの定義で全部の使い方を説明しつくすというよりは、文脈ごとに定義しなおして使い分けた方が有意義な議論につながるかと思います。このような方針の元、当ブログでは同じ単語を場面ごとに何回も定義しなおす予定なので長い目で見守っていただければ幸いです。
ちなみに単純にわたしの知識不足の場合もあるかもしれませんし、後で書くつもりで忘れることもあると思うので「こういう意味でも使われているぞ」ってコメント自体は歓迎します。どしどし送ってください。
