序文
ポケモンというゲームの特徴的な要素として交代という機能があります。今自分が出してるポケモンが苦手な相手と戦っている時、1ターン使って有利なポケモンを出すことができます。自分と相手で互いに有利なポケモンへの交代を繰り返しながら削り合っていく戦い方をサイクルと呼びます。
理想的なサイクル戦では自分交代:相手攻撃と自分攻撃:相手交代を交互に繰り返すことになります。交代時のダメージ蓄積を繰り返し、片方のプレイヤーの後出しできるポケモンがいなくなった時点でサイクル戦は終了します。一度引けないポケモンが生まれて倒されてしまえば、そのポケモンが担当してたポケモンへの後出しが成立しなくなり連鎖的に交代が出来なくなるからです。このように引き先がいなくなり交代が出来なくった状態をサイクルが崩壊したといいます。
サイクル戦の終了後は有利ポケモンが不利ポケモンを一匹ずつ倒すことで試合が終了へと向かいます。この段階では基本的に先に相手のサイクルを崩壊させた側が非常に有利に進みますが、サイクルに参加せずに余力を残しているポケモンがいる場合などこの段階から勝敗が動く場合もあるため注意は必要です。
このページではサイクル戦を制すことを目標に、関連する用語をまとめていきたいと思います。
用語の定義
受け・崩し
後出しから相手を交代させることが出来る時、受けが成立すると呼ぶことにします。交代を強制するには交代ターンのダメージ込みで相手を倒せることが必要になります。交代時の被ダメージがありますし回復技があっても被ダメージによっては回復前に倒されてしまって受けを行えない状況も発生するためポケモンによって受けの行いやすさは異なります。受けを行える回数や受けを行える状況の多いポケモンに対して受けの性能が高いといった表現の仕方をします。
逆に相手に受けが成立するポケモンがおらず交代先がいなくなった時に崩しが成功したと呼ぶことにします。こちらもなるべく少ない回数かつ多くの状況でサイクルを崩せる性質のことを崩し性能が高いと呼ぶことにします。
負荷
ダメージを\(\mathscr{D}\)体力を\(H\)とします。\(\frac{\mathscr{D}}{H}\)を後出しするポケモンにかかる負荷と呼びます。サイクルに参加するポケモンのいずれかにかかる負荷が一定値を超えるとサイクルが崩壊します。
原理的には、負荷をかけるのは「いずれか」でよいことは重要な性質です。どこか一点で引けなくなった時点でサイクルは崩壊なので、崩しやすいところに負荷を集中させることが出来れば理想です。
交換読み・釣り交換
目の前にいる相手と交換先に対してダメージを多く与えられる技が異なる場合、交換読みの択が発生します。対面と交換先に共通して通る技があるほど、また対面に対して余裕をもって勝てるほど読み合いで有利になります。
交換先に対して有効な技を持っていなかった場合も交換を読んで交換する選択肢があります。このような交代直後の交代読み交代を釣り交換と呼びます。これも交換読み同様対面と相手の交換先に対してどちらにも通る交換であるほど有利な読み合いになります。
それぞれの要素の性質・用語間の関係性
さて、サイクル関係でよく使われる用語を定義したのでこれらの性質を見ていきます。
勝利条件による分類
単体の考察をした時と同様、サイクル戦に勝つための条件として次の2点が挙げられます。
- 自分のサイクルが崩壊するより先に相手のサイクルを崩壊させる。つまり自分にかかる負荷<相手にかかる負荷とする。
- 回復技を用いて回復しながらサイクルを回し続ければいつか相手が先に崩壊する。つまり各ポケモンにおいて回復量>負荷とする
一見ポケモン単体のページと同じように見えますが、3体のいずれかが崩れた時点でアウトなので条件2を満たすためには3体全員が回復技と十分な耐久を持つ必要があり非常に条件が厳しいです。現状ほとんどの構築は1の条件を目指してサイクルを行っているといえます。
勝利条件2について詳しく
- ”全員が”の条件のため一人でも満たさないポケモンがいたらサイクルを永続させることが出来ません。
- 便宜上負荷>回復量という書き方しましたが、ダメージ以外のあらゆる崩し手段に対してもサイクルを成立させ続けなければなりません。
- 一見回復が間に合っているように見えても交換読みや釣り交換で崩される可能性がある場合は条件2を満たしてるとは言えません。読み外しの期待値的な計算を行ってなお回復が間に合うよう余力を持って回復出来なればなりません。
- 勝利条件2を満たす限り火力は低くてもそのうち勝てます。典型的な構築では定数ダメージに頼ります。
勝利条件1を目指す以上、回復技持ちの低火力ポケモンであっても目指すところは負荷のかけあいによるダメージレースであることは頭に入れておく必要があると思います。一見全員回復技持ちの構築だったとしても読み次第で崩される可能性がある以上は、やられる前にやれのダメージレースになりこちらからの崩しの速さが重要になってきます。
構築の方針
一人でも崩されたらダメ、かつ先に一人でも崩せばよいわけなので、こちらが受ける負荷に関して一人だけ負荷がかからないポケモンがいてもあまり意味はなく、逆に相手を崩せるポケモンはサイクル中に一人でもいればよいことがわかります。
したがって極端に受け性能の違うポケモンでサイクルを組むのは効率が悪く、逆に崩し性能に関してはばらつきが許されるため構築内で全く崩し性能の無いポケモンや崩し用のポケモンを同居させることがありえます。
単体の文脈の崩しとの関係
火力の高いポケモンほど崩し性能が高いといえます。この意味で単体の意味での崩しポケモンはサイクルを崩す性能も高いといえます。
ただし完全に同じ定義ではないため、単体の文脈での崩し性能が高いがサイクルへの崩し性能は低い、といった事もありえます。挑発ややどりぎなど変化技を絡めた(単体に対する)崩しやメインウエポンの火力はでるが特定のタイプに打点がないポケモンなどはこれに当たります。
単体の文脈の受けとの関係
単純に耐久の高いポケモンは受け性能が高くなります。これに加えて回復技の存在から単体意味での受けポケモンはサイクルの文脈でも受けの性能が高くなると言えます。
こちらに関しても単体の意味と完全に=となるわけではないため注意が必要です。
